こんにちは。シーナと申します。
「日商簿記3級」試験を満点合格した私が、「日商簿記2級」試験に挑戦するため、調べたことや勉強したことを纏めていきたいと考えています。
第2回目である今回は、日商簿記2級試験の各問題を解く順番と時間配分についてです。
試験はテクニックも必要です。
点数が取れるところでは、しっかり取らなければなりません。
これから日商簿記2級に挑戦するあなたの参考になれば幸いです。
※2021年度以降の試験には対応していません。
変更点は以下を確認してください。
- 日商簿記2級基本戦略の確認
- おすすめの解く順番
- おすすめの時間配分
- 補足:日商簿記2級試験の出題範囲改定について
- 日商簿記2級は独学よりも通信講座の利用を検討したい
- どうしても独学で挑戦したい!というあなたのために
- 終わりに
- 関連記事です。
日商簿記2級基本戦略の確認
100点満点中、70点以上で合格です。
満点を取れるに越したことはありませんが、別に合格証に点数は記載されません。
満点を目指す必要はないのです。
日商簿記2級では、
工業簿記を制するものが、簿記2級を制する
です。
工業簿記で点数を取れた人は95%合格するというデータもあるようです。
昔とは異なり、最近では出題の難易度から
工業簿記を完璧にして、
商業簿記の各問題で点数を半分以上づつ拾って合格する
という基本戦略が必要です。
要は
工業簿記はお約束が多く点数が取りやすい、
商業簿記は幅が広くて絞り込めない
ということです。
これはいくつもの通信講座の無料講座で同じように説明されていました。
試験のプロ達が言っている訳ですから、素直に従っておきたいですね。
そのため、
出題内容(テーマ)が確定している第4問、第5問を完璧にして、
何が出るか分からず、難易度の幅が広い第2問や第3問は12点以上を目指す、
とよく紹介されています。
簿記3級とは異なり、各問題の配点は20点づつであり配点に差はありません。
いずれも捨てるわけにはいきません。
なお、第1問の仕訳問題は16点以上が目安です。
試験自体の出題内容等については、以下の記事で紹介しています。
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おすすめの解く順番
正直、順番に解いていくものと考えていましたが、先人たちのお勧めがあります。
簿記3級でも有効でしたので、簿記2級でも参考にしたいところです。
まずはオーソドックスなタイプです。
第1問 => 第4問 => 第5問 => 第2問 or 第3問
この順番の理由は、
第1問の仕訳問題で緊張を解しつつ、確実に点数を取りたい工業簿記を先に済ませる。
そして残った第2問と第3問は、簡単な方を先にこなし、残りは余った時間で可能な限り解くというものです。
商業簿記の第2問、第3問は時間が掛かることが多いですから先に取り掛かると、点数を取りたい工業簿記の第4問、第5問が時間切れになる可能性があります。
妥当な順番だと思います。
大部分の方にはこちらがお勧めです。
ちなみに第1問の仕訳問題の第1問目は難問(捻った問題)が多い傾向があるようです。
そういった場合はさっさと飛ばして後でチャレンジすることにしてしまいましょう。
もうひとつは、以下の順番です。
普段文字を手で書き慣れていない、テストも久しぶりに受ける人に検討して欲しいです。
第4問 => 第5問 => 第1問 => 第2問 or 第3問
私は簿記3級を受けた時、最初に第1問の仕訳問題で勘定科目を答案用紙に記入するときに、(特に緊張しているつもりはないのに)なぜか手が震えてしまいました。
答えは分かっているのですが、手が震えて漢字をきれいに書くのに難儀しました。
簿記試験では誤字脱字は間違いになります。
この辺は以下の記事で紹介しています。
日商簿記3級のときの記事ですが、2級でも同じです。
後で見直したら、初歩的なミス(商工会議所の講評によると非常によくあるミスとのことでした)をしていて、やはり緊張していたのだと思います。
(幸い見直し中に見つけたので、訂正出来ましたが。)
商工会議所が公開している講評は、以下で確認することが出来ます。
次の問題からはいつの間にか手の震えは治まっていました。
仕訳の集計等で計算用紙に気楽に記入するものを先に済ませてしまったほうが、よかったなと思いました。
緊張していないはずなのに手が震えた方、ちょっと緊張していると思われた方は、先に第4問に取り掛かってもよいかもしれません。
電卓を叩いて、計算用紙に気楽に記入しているうちに集中して緊張もほぐれますよ。
しかし、これまで(受験や昇進試験といった)試験中に手が震えたことはなく、自分でも不思議でした。
自分なりに分析したところでは、久しぶりの(誤字が許されない)筆記試験であること、自発的にかなり真面目に勉強していたこと(落ちた後にもう一度あの時間を過ごすことが出来るのかといった懸念)で、手が震えたのではないかと考えています。
終わってみればよい経験でしたが、試験中は困りました。
おすすめの時間配分
試験時間は120分です。
基本的な解く順番は前述のとおりです。
しかし、より確実なものは、あなたにとって簡単な得点を取りやすいものから先に取り組むということです。
そのため、まず最初に事前準備として、問題用紙と答案用紙をざっと見て、解く順番を決めましょう。
各問について、使える時間は以下の時間を最大として考えておきます。
勉強中から意識しておくことが重要です。
以下は一般的なおすすめの解く順番でのタイムスケジュールです。
時間は解くために使える最大時間です。
これ以上時間が掛かる場合は、途中であっても次の問題に進むことを検討することが必要です。
事前準備:5分
第1問:15分
第4問:20分
第5問:20分
第2問:25分
第3問:30分
見直し:5分
合計:120分
第2問、第3問は逆でも大丈夫です。
大体、どちらかが難しいと片方が易しい(ことが期待される)ようです。
あなたにとって簡単な方を先に短時間で取り組みます。
また、正直、見直しが5分しかないというのは厳しいです。
私は簿記3級でも結構やらかしていましたが、十分な見直し時間が取れたため満点を取ることが出来ました。
実際の試験では普段では信じられないようなミスをします。
ミスはするものという前提で対応する必要があります。
とはいえ、おそらく第1問はなかなか時短は出来ないと思います。
つまり、第4問、第5問をいかに短時間で解くかということが重要になります。
ということで、まずは工業簿記を勉強します。
補足:日商簿記2級試験の出題範囲改定について
2019年度の試験(第152回)から出題範囲が改定されます。
簿記3級がメインの改定ですが、簿記2級も影響を受けます。
ただし、今回の簿記2級の変更はほとんどありません。
また変更になるのは商業簿記です。工業簿記は変更はありません。
そういう観点でも先に工業簿記を勉強しておく方がよいのです。
第152回以降に受験を考えている場合は、一応認識しておきましょう。
日商簿記2級に関しては、平成29年度、30年度の変更の方が重要でした。
平成29年度以降の追加テーマ
以下が主なところになります。
電子記録債権、電子記録債務
課税所得の算定方法
有価証券の分類と評価
クレジット売掛金
圧縮記帳
リース取引
ソフトウェア(無形固定資産)
役務収益、役務費用
外貨建取引
連結会計
平成30年度以降の追加テーマ
税効果会計
アップストリーム(連結会計)
製造業を営む会社の決算処理
詳しくは公式サイトを確認してみてください。
年度が1年ずれていますが、実際に試験に反映される時期がずれているだけです。
日商簿記2級は独学よりも通信講座の利用を検討したい
正直、私は日商簿記2級に関しては、独学は厳しいと感じています。
日商簿記3級とは難易度、ボリューム共に桁違いです。
私のような(株式投資に利用したいという)特殊な例を除いて、通常日商簿記2級を取得する理由は仕事に活かすためと思います。
特に実際に仕事のために資格を取得しようと考えている場合、現場では資格を持っていることよりも基本的な部分、考え方を理解している方が重要視されます。
どうしても独学は理解が不十分なまま抜けが出たりしてしまいますから通信講座を利用して基礎を固めるのが一番効率的と思います。
私シーナの圧倒的なおすすめは、ネットスクール です。
ここが一番コスパがよいです。
私もここを選んでいます。
WEB での学習が基本ですからスマホ学習でスキマ時間を活用出来ます。
もちろん再生速度変更で時間短縮も可能。
音声のみにすることも出来ます。
ちょっとした利便性が、継続できるかどうかを(合格するかしないか)を別けたりするのですよね。
それに日商簿記2級の標準コース(税込40,200円)を申し込むと無料で3級の基本講義も受講することが出来ます。
3級を独学で勉強した人も再度基礎を固めることが出来ます。
教材のクオリティは間違いありませんし、一番重要な講師もネットスクール の代表者である桑原氏が担当しています。
雇われ講師にはない圧倒的な熱量で優しく丁寧に教えてくれますよ。
通信講座での講師の当り外れが気になるあなたは、一度覗いて見てはいかがでしょうか。
おすすめです。
ちなみにネットスクールの日商簿記2級標準コースは、一般教育訓練給付金制度の対象コースとなっています。
一般教育訓練給付金制度とは、簡単に言うと仕事をしている人が所定の手続きをして要件を満たせば、受講料の20%(今回で言えば約8,000円)が国からキャッシュバックされる制度です。
詳しくはネットスクール のサイトに説明があります。
ただ正直なかなか大変な条件です。
実際に利用出来る人(利用しようと思える人)は限られると思いますが、こういう制度もあるということで参考にしてみてください。
どうしても独学で挑戦したい!というあなたのために
おすすめテキスト&問題集も纏めました。
商業簿記も工業簿記も大手資格スクールTACが出版している「スッキリわかる」シリーズがおすすめです。
商業簿記と工業簿記ともに、非常に分かり易く解説されていて、大人気のシリーズです。
ネット試験にも対応しています。
以下が商業簿記用です。
以下が工業簿記用です。
Amazonなら「試し読み」で内容を確認出来ますから事前にチェックしてみてください。
なお、過去問題集はネットスクール出版のものが圧倒的におすすめです。
もちろんネット試験にも対応していますよ。
「過去問題集は、過去に出題された問題を纏めただけなのだから、どれも一緒。
収録されている問題数が多いものを選べばよいのではないか。」
と思われるのではないでしょうか。
まあおすすめしている過去問題集は問題数も圧倒的に多い(11回分)のですが(^^
実際には以下の点を考慮する必要があります。
それは出題範囲の改定です。
おすすめしている過去問題集は、この出題範囲の改定に対応しています。
過去問題の中には、最新の簿記試験では出題範囲から外れているテーマが多く含まれています。
過去にさかのぼればさかのぼるほど、その影響が大きくなります(何度も改定されますからね)。
従って、この点が考慮されていないままの過去問題を解くと、あなたが受験するときには出題されない問題を解くことになり、効率的に勉強できない可能性が高いです。
(あくまで試験対策の観点です。簿記自体を学ぶのであれば意味はあるとは思います。)
おすすめしている前述の過去問題集は、この辺が考慮されています。
出題されないテーマは、現在の出題範囲のテーマの(同程度の難易度の)問題に置き換えられています。
そのため効率的に勉強することが可能になっています。
そのうえで、ボリュームも満点です。
11回分も収録されています。
ここまで収録されている過去問題集はなかなかありません。
選んで間違いない過去問題集です。
ネット試験にも対応しています。
終わりに
あなたの参考になれば幸いです。
それでは、また。
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