こんにちは。シーナと申します。
40代の私がおすすめ漫画や小説を紹介するシリーズ。
今回は「梨木香歩(なしき かほ)」先生の「村田エフェンディ滞土録」です。
読了後の心震える余韻が堪らない青春小説の名作。
2018年8月現在何かと話題のトルコ(土耳古)ですが、本作は約120年前の西暦1899年。
オスマン(トルコ)帝国末期の首都(イ)スタンブールが舞台です。
- 「エフェンディ(effendi)」とは
- 西暦1899年の日本
- 「村田エフェンディ滞土録(たいとろく)」の概要
- 初めて読むときには、纏まった時間を作って欲しい
- 「村田エフェンディ滞土録」
- 「家守綺譚」と「冬虫夏草」
- 終わりに
- 関連記事です。
「エフェンディ(effendi)」とは
トルコ(土耳古)における主に学問を修めた人物に向けた敬称で、1935年頃まで
使われていたそうです。
小説のタイトルである「村田エフェンディ滞土録(たいとろく)」は、
「村田先生のトルコ滞在物語」という意味になります。
西暦1899年の日本
日本は明治32年。
勝海舟の没年であり、
東京大阪間に初の長距離電話が開通し、
日本電気(NEC)が日米合弁会社として設立され、
森永西洋菓子製造所(森永製菓の前身)が創業(わずか2坪だったとか)した年です。
近代化に向けて急速に西洋文化を取り込んでいた日本。
日清戦争終結の4年後、日露戦争開始の5年前。
そして第1次世界大戦の15年前です。
時代が大きく動く谷間、束の間の平和のときだったのでしょうか。
そんな1899年から物語は始まります。
「村田エフェンディ滞土録(たいとろく)」の概要
以下、裏表紙の内容紹介より。
トルコ皇帝の招聘を受け、トルコの歴史文化研究のためにスタンブールに留学した
大学の史学科講師である村田青年と下宿先の人々(ペット含む)との交流や現地での不思議な出来事を描いた青春小説です。
不思議な出来事は「特別」ではなく、そんなこともあるでしょうと、ごく自然に受け入れられています。
しかし、本作はあくまで人間の現実の物語です。
これ以上の説明は無粋でしょう。
極力、前情報無しに読んで欲しい小説です。
初めて読むときには、纏まった時間を作って欲しい
書き出しからすぐに物語に引き込まれ、読了感が素晴らしい小説です。
異文化を感じ、彼の地に想いを馳せ、歴史を学び、時にニヤリと笑みが零れる。
そして心が震え、締め付けられます。
余韻に浸れる時間と叫ぶことのできる場所が必要です。
出来ればこの本のために時間を作って、落ち着いた静かな場所で読んで欲しい。
それだけの価値がある小説と思います。
18編の短い物語で構成されていますが、一息に読んでしまいます。
二度三度と読み返されることでしょう。
ただ、最初だけは途中で邪魔が入らないことを願うばかりです。
「村田エフェンディ滞土録」
文庫で518円、電子書籍は480円です。
「家守綺譚」と「冬虫夏草」
「村田エフェンディ滞土録」が気に入った方には、著者の以下の作品もおすすめです。
最後に登場する学生時代からの友人たち「綿貫」と「高堂」の物語。
「村田」青年も少し話に出てきます。
作品のジャンルは異なりますが、根底に流れる雰囲気は同じ。
どちらも不思議な話が出てきますが「村田~」は「現実」、「家守~」は「不思議」が
それぞれメインです。
「家守綺譚(いえもりきたん)」
この作品の方が、先に出版されています。
どちらかというと、こちらの方が有名で、第2回の本屋大賞に入賞しています。
私も「家守綺譚」を先に読み、繋がりがあるらしいと知り本作品を手に取りました。
「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」
「家守綺譚」の続編です。
終わりに
株式市場でトルコ(リラ)が注目を集めていますね。
私にとってトルコのイメージ(東と西の文化が重なり合う)はこの小説のものが強かった
ため、また読みたくなってしまいました。
私もギャグ漫画ばかりではないのですよ。大好きですけどね。
「ディスケ・ガウデーレ(Disce gaudere)」。
楽しむことを学びたいのです。
それでは、また。
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