こんにちは。シーナと申します。
今回は日商簿記試験で使用できる、おすすめの電卓と試験で時短が出来るテクニックを紹介します。
日商簿記3級の持ち物準備編、第1弾になります。
日商簿記試験は億単位での金額計算があります。
端数も出ます。
そのため「電卓」を持ち込むことが認められています。
しかし、持ち込める「電卓」には制限があります。
関数電卓やプログラム機能付き電卓、プリンタ内蔵、メロディー音の出るもの、携帯コンピュータ(電子手帳を含む)、携帯電話、スマホ、タブレットなどは電卓として利用出来ません。
持ち込める電卓に制限があると知って、皆さん「簿記 電卓 おすすめ」で検索されましたよね(断言)。
私はしました。
たくさんのサイトで、たくさんの電卓が紹介されています。
トップ10とかベスト5とか、選択肢が多くて、どれがよいのか迷ってしまいました。
そのため結論をお伝えします。
- 「Canon HS-1220TUG」の1択
- 「Canon HS-1220TUG」が、お勧めの理由
- お勧めしているその他の理由
- 日商簿記1級を受験予定の方へ
- 補足:電卓のキー配列(シャープ VS カシオ)の違い
- 「Canon HS-1220TUG」の不満な点
- 利息計算(日数計算)は「西向く士(にしむくさむらい)小の月」
- 持ち運び時の注意について
- 電卓について
- 簿記試験で使う機能とテクニック
- 都市伝説
- 終わりに
- 関連記事です。
「Canon HS-1220TUG」の1択
簿記3級、2級までの受験をお考えのあなたは、「Canon HS-1220TUG」の1択で大丈夫です。
私も購入しました。
そして問題ありませんでした。
私は40代ですが日商簿記3級を満点合格しています。
お勧めする理由は後述しています。
紛らわしいことに商売機能付きの「HS-1220TSG SOB」があります。こちらは簿記試験に持ち込めません。間違えないようにしてください。
「Canon HS-1220TUG」が、お勧めの理由
まず、当たり前ですが、簿記試験に持ち込んで使用することができます。
これは大前提です。
そのうえで一番の理由は、お値段です。
大切なことです。
いろいろなサイトで、いくつものお勧め電卓を見ました。
しかし、どれも思っていたよりお高い。
いろいろ比較した結果、「Canon HS-1220TUG」が、簿記試験に持ち込めて、必要な機能や条件を満たすもののなかで、一番安いです。
私が購入した2018年3月末頃で、1,800円ぐらいでした。
7月の今はもう少し安いようです。
試験前には需要があるからか高くなるのかもしれませんが、それでも2,000円以下です。
安いにこしたことはありませんが、何事も値段が安いと心配になりますよね。
それでなんとなく中間ぐらいのものを選んだりすることもあると思います。
今回は、そんな心配は不要です。
まったく問題ありません。大丈夫でしたよ。
お勧めしているその他の理由
「Canon HS-1220TUG」は、日商簿記1級まで対応しています。
そのため簿記3級、2級の受験者は、機能面で不満を覚えることは、まずありません。
我々、電卓初心者の受験者にとっては、簿記3級(2級含む)で問題なく(機能にも過不足なく)使える機種であることが重要と思います。
以下は、私が実際に「Canon HS-1220TUG」を使用してみてよかった点です。
- 12桁(千億円)まで表示できる
- ディスプレイが大きくて見やすい
- キー(ボタンの)幅が大きく打ち間違いが少ない
- キーが打ちやすい
- 「00」キーがある
- 押す頻度が高い「+」キーが大きい
- ソーラー電池も付いている
以下は箱の裏面に記載がある機能一覧です。
日商簿記1級を受験予定の方へ
日商簿記1級では、経済的発注量(EOQ)を算出する際に、ルート機能が必要になりますが、このルート機能も付いています。
利息計算に使う日数計算機能はありませんが、この機能は無くても大丈夫です。
「西向く士(にしむくさむらい)」ですね。
そのため機能的には問題ありませんが、簿記1級の取得を目指している方は、さらに税理士や公認会計士、中小企業診断士などを見据えていると思います。
電卓はメーカーによってキー配列などが異なります。
将来、必要になる機能を見越して、高価ではなくても初めからメーカーを含めて機種を選定することをお勧めします。
ただし、最初から高価なものにすると試験に持ち込めない可能性がありますので、注意してください。
補足:電卓のキー配列(シャープ VS カシオ)の違い
電卓のキー配列には、シャープ配列とカシオ配列の2つがあります。
細かい違いはありますが、大きな違い(見分け方)は以下になります。
シャープ配列:四則演算のキーが右側にあるタイプ
カシオ配列:0が左下、「=」キーが「+」キーの左側にあるタイプ
現在の主流はシャープ配列です。
試験や仕事で利用するならシャープ配列のものがよいと思います。
カシオ社製の一部の電卓(実務向け電卓)ですらシャープ配列(ぽいもの)が採用されています。
私がおすすめしている「Canon HS-1220TUG」もシャープ配列です。
基本的に実務的な電卓はシャープ配列です。
カシオ配列は、主にデザイン(見た目)重視の電卓で採用されています。
電卓は最初に使用したキー配列と同じものを使い続けることになります。
(同じ計算をするときもキーを押す順番や回数が変わります。例えば、定数計算とか。)
もし「Canon HS-1220TUG」以外を選ばれる方は、電卓選びの参考にしてみてください。
「Canon HS-1220TUG」の不満な点
私の場合はいずれもデメリットではありませんでしたが、レビュー等で見かけたものです。
- サイズが大きい(持ち運びに不便)
シーナ計測では、大体横13cm、縦17cm、高さ(MAX部分)3.5cmです。
小さいものと比較すれば大きいとは思いますが、持ち運びに不便というほど大きくはないと思います。とはいえ、私は電卓は自宅でしか利用しませんでしたので、試験当日の1回しか持ち運びしていません。ただ、大きい方が間違いなく打ちやすいですので、試験用であえて小さいものを選ぶ必要はないと思います。
- 打鍵音が大きい
サイレント(消音)機能が売りの電卓との比較の問題であって、普通だと思います。
普通ではありますが、図書館などの静かな場所での利用は他人への迷惑を考えると確かに難しいでしょう。喫茶店やカフェ、ファミレス等であれば、(他人の目が気にならないのであれば)特に迷惑なレベルではないと思います。
- ディスプレイの角度が固定されている
個人差はあると思いますが、別に見にくい角度ではないと思います。
この点に拘りがある方は、おそらく他にも拘りがあると思いますので、別の機種を選んだほうがよいと思います。
- 日数計算機能が付いてない
基本的に利息計算は日割(年365日)ですので、日数計算機能があると便利だそうです。手形の割引等で使いますが、最近は出題されませんし、出題されても月割と問題文で指定されていたりします。
それに私にとっては電卓専用機の機能をわざわざ覚える方が面倒です。
利息計算(日数計算)は「西向く士(にしむくさむらい)小の月」
電卓専用機の日数計算機能は、日常的に電卓を使って計算するのであれば、確かにあったほうがよいのでしょう。
しかし、簿記試験でしか使わないのであれば、「西向く士(にしむくさむらい)小の月」の語呂合わせで覚えた方が(雑学的な意味もあり)汎用的で早いです。
同世代の方なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
意味は「2月、4月、6月、9月、11月は30日以下(2月だけ28日)」になります。
11月が一捻りあって分かりにくいですが、「さむらい=(武)士」で、「士」は漢字で11と書く(十と一を重ねている)ものなので11にあたります。
もう覚えましたよね。
持ち運び時の注意について
1点だけ注意です。
「Canon HS-1220TUG」には、以下のようなスイッチがあります。
簿記試験用として使用する場合、初期設定から変更する必要はありません。
まず大丈夫だとは思いますが、持ち運び時にスイッチ設定が変わってしまう可能性も0ではありません。
これは試験当日にカバンに入れる時に気になりました。
普段は持ち運ばないため気にしませんし、最初に説明書で見た気がしますが設定の意味も忘れてしまうと思います。
付属の説明書も持ち歩かないでしょうし、どこにあるのか覚えていません。
持ち運び前にスマホで写真を撮っておくことと、会場に着いたらすぐに動作確認しておくことをお勧めします。
電卓について
さて、電卓ですが、私(40代)より若い世代の方で電卓専用機を自分用に所有する人(職業柄必要な人は除く)は、どれほどいらっしゃるでしょうか。
パソコン、携帯、スマホなど標準で電卓機能は付いていますし、複雑な計算には表計算ソフトを利用します。
ハッキリ言えば、必要ないですよね。
私が電卓が必要と知って、持ち込める機種の次に心配したことがあります。
それは、
電卓の使い方を知らない。
電卓の機能を覚えなければならないのか。
ということです。
そもそもこれまで電卓の使い方をきちんと学んだことがありません。
数字と四則演算(+、-、×、÷)、「C」と書いてあるいくつかのボタンをとりあえず数回押しておけばよいぐらいの知識です。
それで十分事足りています。
簿記試験で使う機能とテクニック
そんな心配をしていた私ですが、
簿記試験では、ほとんどの電卓機能は必要ありません。
(「そろばん」でもよいと試験要項にあるぐらいですから。)
もし複数の機種で悩んだら打ちやすさ、見やすさで選んだ方がよいです。
ただ、これは使えた方が効率的に計算ができる(時短できる)機能、ボタンはあります。
以降は、「Canon HS-1220TUG」を前提としています。
- メモリ機能
- 「→」ボタン
- 「%」ボタン
たった、これだけです。
実質1つですね。
これだけは効率(時短)の意味で使えるようになったほうがよいです。
「GT(グランドトータル)」機能も付いていますが、少なくとも3級では必要ありませんでした。
ブラインドタッチが出来るようになる必要もまったくありません。
人差し指でゆっくり丁寧にキーを叩いていても試験時間が足りなくなることはありません。
(効率的な解き方のコツは関連記事で紹介していますので参照ください。)
上記の機能やボタンの使い方そのものについては、付属の説明書を見てください。
どのように便利なのかについて、以下でご説明します。
メモリ機能
電卓のメモリ内に計算結果を格納して、足したり、引いたり出来ます。
そして何度でもディスプレイ上に呼び出すことができます。
それがどうしたと感じると思います。
一旦、計算結果を紙に書いておけばよいだけだろうと。
分かります。
私も最初はそう考えていました。
簿記では取引を仕訳した際に、貸方(かしかた)、借方(かりかた)に分けるのですが、貸方、借方それぞれの合計金額が必ず一致します。
これは仕訳の大原則です。
そして第3問や5問で仕訳した後に、仕訳が正しいことを確認するため、貸方の合計と借方の合計を算出して、金額が一致していることを確認します。
この計算にメモリ機能が役立ちます。
地味に時間が短縮できます。
特に早打ちが難しい人には、このような積み重ねが時間短縮に繋がります。
操作は直感的に理解できて簡単ですので、ぜひ使えるようになりましょう。
また、集計結果の比較時に結果が合っていることを前提に使うのではなく、間違っているという前提で使う場合に便利です。
メモリ内の数値が「0」にならない場合、間違っているわけです。
その場合、そのまま次のアクションが取れます。
例えば、貸方と借方を比較した結果、メモリ内の(ディスプレイに表示された)数値が「900」となった場合で説明します。
そのまま探す
まずは、問題文から「900」円の仕訳をざっと探します。
見つかれば集計時にその仕訳が抜けていたことになります。
見つからなければ次です。
「2」で割って探す
次に、「2」で割って、「450」円の仕訳をさっと探します。
貸方、借方とするところを貸方、貸方(もしくは借方、借方)と仕訳したような場合です。
これは仕訳練習ではあまり起きませんが、試験問題を解いていると意外とあります。
見つからなければ次です。
「9」もしくは「0.9」で割って探す
本当ですと次は「900」を「9」や「0.9」で割ります。
これは桁ミスをしていた場合を想定しています。
例えば、本来は「1,000」円のところを「100」円としていた場合、差分は「900」円です。「900」を「9」で割ると「100」になります。
逆に「100」円のところを「1,000」円としていた場合も差分は「900」円です。「900」を「0.9」で割ると「1,000」になります。
そこで「1,000」円を「100」円としていないか、逆に「100」円を「1,000」円としていないかを探します。
ただ、桁ミスをすることは、最初の2つに比べると少ないと思います(桁区切りとして、数字にカンマを入れる癖をつけます)し、手間が掛かります。
そこで「2」で割ってもミスが見つからなければ、いったんメモリをクリアして、再度丁寧に集計した方がよいです。
本当に集計結果が一致しないのか計算用紙(の自分で書いた数字)を丁寧に見直しながら
再集計し(電卓を叩く)、一致しない場合は、差分の数値を確定しましょう。
間違いが確定したら、再度手順を繰り返します。
(再計算したら[0]になることも意外と多いです。試験勉強中は、再度やり直すなんて無理だから間違えたくないし、ゆっくり丁寧にするから本番でも大丈夫だと考えていましたが、実際の試験時にはしっかり間違えました。)
ここまで実施しても合わない場合は、最初から仕訳するしかありません。
残り時間を見て、次の問題に一旦進むかを判断します。
部分点がありますので、集計が合っていなくても全部が0点になることはまずありません。
拘りすぎないことも重要です。
難しいですが重要なこと
一番のポイントは集計結果の比較時に「0」にならなくても(間違えても)焦らないことです。
合っているという前提でいると焦ってしまいますので、間違いがあるという前提で最初から集計してください。
そして間違えても「あ、そうですか。はい、はい。やっぱりね。」と淡々と上記をこなしましょう。
私は今回は簡単な問題でよかったと自信満々で、一応集計しておくかと初心を忘れて集計したところ、見事に一致しておらず。
急に周りの音が聞こえてきて、いやな汗を掻きました。
幸い初心を思い出しましたので、すぐに対応することが出来ました。
集計比較の限界
ちなみに、仕訳を一つ完全に飛ばしていると集計結果は合ってしまいます。
残念ながら、この手の間違いには対応できません。
時間が余ったら間違いないと思っていても丁寧に見直してください。
問題文にチェックを付けるのも有効です。
どんどん書き込んでいきましょう。
「→」 ボタン
計算途中で間違ったボタンを押しても、ボタンを押す前に戻れます。
集計していて最後のほうでうっかり間違えたボタンを押してしまっても、「C」の付いたボタンを押して最初からやり直す必要がありません。
早く教えてよと思うボタンです。
「%」ボタン
例えば、いままで「300,000円の4.7%は?」と言われると、100で割るから・・・・・・と頭で考えてから、「300,000×0.047」と打っていました。
「%」ボタンを使えば、「300,000×7.3%」とそのまま打てます。
割引率の計算時に便利です。
「Canon HS-1220TUG」をあなたのお供に検討してみてはいかがでしょうか。
選んで間違いありません。
繰り返しとなりますが、商売機能付きの「HS-1220TSG SOB」は簿記試験に持ち込めません。くれぐれもお間違えないようにしてください。
都市伝説
試験開始直後に猛烈なスピードで電卓を叩く人がいて、その打鍵音を聞いて焦ってしまったと。
そのような話題を見ました。
ひそかに楽しみにしていたのですが、残念ながら私は遭遇できませんでした。
本当にいるのですかね?
一応ですが、真面目に問題を解く場合、問題の構成上、どの問題から取り掛かったとしても、開始直後から猛烈に電卓を叩くことは考えにくいです。
仕事で問題を入手するためだけに試験に参加している人が、あえて周りに聞かせようとしているときぐらいでしょう。
もし遭遇してしまったら。むしろ話のネタが出来てラッキーだと思いましょう。
フッと鼻で息をして、お疲れ様ですと心の中で呟きつつ、リラックスしましょう。
なお、単純に打鍵音が大きい人はいますので、開始直後でなければ十分あり得ます。
これはどうしようもありません。
せめて自分がそうならないように気を付けるぐらいです。
終わりに
持ち物は勉強をはじめる前に用意する方がよいため、もう少しだけ持ち物準備編が続きます。
試験には慣れたもので臨むべきですから。
しかし、やはり文章が長くなりました。
もう少し短く纏めたい気持ちだけはあります。
それでは、また。
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