こんにちは。シーナと申します。
「日商簿記2級」試験を目指している私が、復習のために「日商簿記3級」の勉強を始めた時に感じた疑問や勉強したことを纏めていきたいと考えています。
第1回目である今回は、試験自体についてです。
意外とこの手の情報が纏まっていないように思います。
これから簿記を勉強するあなたの参考になれば幸いです。
2020年度向けに加筆・修正しました。
※2021年度以降の試験には対応していません。
変更点は以下を確認してください。
- まずは挑戦する相手を確認しましょう
- 日商簿記試験について
- 日商簿記3級試験の受験料、事務手数料、試験時間、合格率
- 日商簿記試験(2,3級共通)の試験日について
- 試験申込期限の確認
- 日商簿記3級試験当日の持ち物について
- 日商簿記3級試験当日の注意事項(遅刻、トイレなど)
- 試験の規模(東京の場合)
- 試験の方式
- 問題用紙と計算用紙と解答(答案)用紙
- 日商簿記3級の出題構成
- 合格基準(合格点)
- おすすめの解答順と時間配分
- 最後の仕上げに過去問題集のすすめ
- 終わりに
- 関連記事です。
まずは挑戦する相手を確認しましょう
日商簿記3級の基本的かつ重要な試験範囲変更の話なども含めて、日商簿記3級試験の情報を以下の記事に纏めています。
こちらも合わせてご一読ください。
この情報を踏まえて、今回は不足分を紹介します。
主に私が勉強開始当初に疑問に思ったことや勘違いしていたことです。
日商簿記試験について
初めてだと少し分かりにくいですが、各地にある商工会議所が個別に実施しています。
商工会議所は全国各地に多数あります(東京都だけでも8つもあります)。
そのため、基本的にはあなたが住んでいる近くの商工会議所に試験を申し込むことになります。
試験内容や試験日時はもちろん同じですが、申込期限や結果の公開時期などが微妙に異なりますので注意が必要です。
日商簿記3級試験の受験料、事務手数料、試験時間、合格率
- 受験料:2,850円(税込)
- 事務手数料:550円(税込)
- 試験時間:2時間(9:00-11:00頃)
- 合格率:49.4%(直近5回の平均)
私が受験した第149回試験の合格率は44.3%でした。
第150回試験の合格率は43.8%です。
第151回試験の合格率は55.1%でした。
簿記3級は第152回から試験範囲が大きく変わりました。
合格率も変わる可能性がありますが、一応第152回までは配慮があるようです。
期待しないほうがよいとは思いますけどね。
信じていました。
後日追記:第152回試験の合格率は56.1%でした。
配慮が無くなった第153回については、以下の記事で紹介しています。
後日追記:第153回試験の合格率は43.1%、第154回試験は49.1%でした。
さて、日商簿記3級を受験するには、受験料と事務手数料が必要になります。
トータル3,400円(税込)です。
※2019年11月の第153回からは消費税増税のため受験料と事務手数料が高くなりました。
※合計で60円高くなり、現在は3,400円になっています。
日商簿記試験(2,3級共通)の試験日について
毎年3回開催されています。
- 6月の第2日曜日
- 11月の第3日曜日
- 2月の第4日曜日
※1級は6月と11月の年2回です。2月には試験はありません。
※2021年2月に限り、1級の試験も実施されます。
※2020年12月から簿記3級と2級はネット試験が開始されています。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
試験申込期限の確認
受験エリアが「東京都23区内」及び「横浜市内」の場合、直近では以下になります。
個人の場合です。
第150回: 9月4日(火)10:00 ~ 10月5日(金)18:00
第151回:12月11日(火)10:00 ~ 2019年1月11日(金)18:00
第152回:2019年3月26日(火) 10:00 ~ 2019年4月26日(金) 18:00
第153回:2019年9月3日(火) 10:00 ~ 2019年10月4日(金) 18:00
第154回:2019年12月10日(火) 10:00 ~ 2020年1月10日(金) 18:00
第155回 :2020年3月31日(火) 10:00 ~ 2020年5月1日(金) 18:00
※新型コロナウイルスに伴う感染症の拡大防止と会場確保が困難等の理由により、各商工会議所で第155回の簿記検定試験は中止となっています。
第156回 :2020年9月1日(火) 10:00 ~ 2020年10月2日(金) 18:00
※2020年7月現在、第156回試験は予定通り開催される方向です。
第157回 :2020年12月15日(火) 10:00 ~ 2021年1月15日(金) 18:00
大体、試験日の2ヶ月前ぐらいからになります。
第156回と同様に受験者数の制限のため定員制や受講できる地域が制限されるかもしれません。
必ずあなたの対象の商工会議所のサイトで確認してください。
以下のサイトでご自身の近くにある商工会議所を確認することが出来ます。
受験エリアが「東京都23区内」及び「横浜市内」の場合は、以下から申し込みを行います。
商工会議所によって、申し込み期間も微妙に異なりますので注意してください。
日商簿記3級試験当日の持ち物について
以下が必要です。
- 受験票
- 顔写真付き身分証明書(免許証やパスポートなど)
- 鉛筆 or シャープペンシル(黒のHBかB)2本(芯も忘れずに)
- 消しゴム2個(角のある新品(1つ数十円)を用意しましょう
)
- 電卓(関数電卓・プログラム機能付きは不可)or そろばん
HS-1220TUGがおすすめです。理由はこちらの記事を参照のこと。
- 腕時計(試験会場に時計は無いと思ってください)
おすすめの格安腕時計はこちらの記事で紹介しています。 - お金(なにかあっても安心です)
受験票(郵便はがき)は試験当日持参するのを忘れても申し出れば何とかなるようです。
忘れないことが重要ですが、受験番号はスマホ等にメモしておきましょう。
試験中、机の上には飲み物などは出しておけません。
出せるのは上記のみ(お金以外)です。
日商簿記3級試験当日の注意事項(遅刻、トイレなど)
試験当日の注意事項は以下の記事で紹介しています。
試験の規模(東京の場合)
簿記試験の運営は、各地にある商工会議所が個別に実施しています。
私は受験者数の1万5千人は全国での数だと勘違いしていたため、1つの会場では貸し会議室等の部屋が1,2つ程度、立会人も一人ぐらいの小規模な試験だと思っていましたが。
全国では大体9万人弱の受験者がいる大規模な試験です。
受験者層はまさに老若男女。
実に幅広い年代の人たちがいました。
私は会場が某大学でしたが、そのような気持ちで試験当日を迎えたため、当日駅を降りたら、ものすごい数の受験者(明らかにそれと分かります)が列になって会場方向に向かっているのを見て驚いてしまいました。
大学を丸ごと貸し切る感じです。
通信講座や予備校(という言い方でよいのですかね?)の人たちも大量にいて、いろいろ広告を渡してきます。
さすがに簿記以外の試験の受験者もいるための人数だったのですが、簿記試験だけでもそれなりの数がいて、立会人も3,4名はいる、かなり本格的な試験です。
初めての場所での方向感覚には逆に自信のある私は、試験会場が分からなくて迷うのではないかと少し懸念していたのですが、そんな心配は不要でした。
ちなみに試験が終わると帰り道で予備校の人たちが解答速報という形(しかも意外にしっかりした体裁のもの)で各試験の解答を無料で配っています。
早すぎない?と思いますが、すぐにおおまかに合否が分かるのはよいですね。
試験の方式
記述式です。
漢字の誤字、脱字、略字も間違いになります。
数字も読みにくかったり、省略すると間違いになります。
この点については、以下の記事で紹介しています。
問題用紙と計算用紙と解答(答案)用紙
問題用紙
1枚で2つ折りです。見開きで4ページあります。
持ち帰りできます。
計算用紙
両面白紙(A4サイズ)の紙が1枚配布されます。
こちらも持ち帰りできます。
スペースが不足することはありませんので、ゆったり大きく使いましょう。
解答(答案)用紙
雑誌の付録のようになっています。
切り取り線を切り取って、A4サイズ4枚(表紙を含む)に分解します。
最後に表紙も回収されます。
表紙には受験番号、他には受験番号、名前、生年月日を記入します。
試験終了時に立会人が1枚づつ回収していきます。
これが結構な時間が掛かっていました。
なお、単に対象人数が少なかった(1名)からなのか、必ずそのような対応をしてくれるものなのか分かりませんが、表紙に受験番号を記載していなかった人がいたらしく、立会人がその人のところに持って行って記入させていました。
意外と表紙は記入漏れがあるようですので、気を付けてください。
日商簿記3級の出題構成
出題の構成は決まっていて、毎回5問出題されます。
配点も出題内容もほぼ決まっています。
※第1問以外の各問題には部分点があります。
※第2問と第4問は、どれか1つが出るというだけで同じです。
※例えば、「語群選択」が第2問で出ることもあります。
第1問:仕訳問題が5つでます(1つ4点で合計20点)
以下の記事で詳しく実践的な内容を紹介しています。
第2問:補助簿・勘定記入(決算整理)・商品有高帳(10点)
第4問と同じで特に決まったテーマはありません。
そのため難易度の差が大きいです。
意外と出題される「商品有高帳」問題についての解き方の紹介です。
「勘定記入」問題を解く上で必要になる「損益勘定」の考え方について、以下の記事で紹介しています。
頻度は低いですが出題されたら満点を取りたい「補助簿の選択」です。
第3問:試算表(30点)
以下の記事で詳しく実践的な内容を紹介しています。
第4問:仕訳日計表・伝票会計・語群選択(10点)
第4問と同じで特に決まったテーマはありません。
そのため難易度の差が大きいです。
仕訳日計表・伝票会計については、以下の記事で紹介しています。
定期的に出題される語群選択については、以下の記事で紹介しています。
第5問:清算表もしくは財務諸表(30点)
以下の記事で詳しく実践的な内容を紹介しています。
合格基準(合格点)
100点満点中70点以上で合格です。
そのため、出題内容(テーマ)が確定している第1問、第3問、第5問を完璧にして、何が出るか分からず、難易度の幅が広く、配点も低い第2問や第4問は捨ててもOKと、よく紹介されています。
確かに第1問、第3問、第5問だけでも80点となりますので合格できます。
しかし、必ずミスはします。
私のように運よく見直しで発見できればよいですが、それぞれ部分点がありますので、第2問、第4問も捨てる必要はありません。
いずれもポイントを押さえれば、むしろサービス問題になります。
しっかりと得点を取りましょう。
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おすすめの解答順と時間配分
解答順
正直、順番に解いていくものと考えていましたが、先人たちのお勧めがあります。
まずはオーソドックスなタイプです。
私もこの順番で解きました。
第1問 => 第3問 => 第5問 => 第2問 => 第4問
この順番の理由は、第1問の仕訳問題で緊張を解しつつ、
配点が多く時間が掛かる第3問、第5問をしっかりとこなし、
残りの時間で第2問、第4問に取り掛かる
というものです。
妥当な順番だと思います。
大部分の方にはこちらがお勧めです。
以下は、実際に試験を受けた後に感じた私のお勧めの順番です。
第3問 => 第5問 => 第1問 => 第2問 => 第4問
普段文字を手で書き慣れていない人に検討して欲しいです。
この順番をお勧めする理由ですが、私は第1問で勘定科目を答案用紙に記入するときに、なぜか手が震えてしまいました。
答えは分かっているのですが、手が震えて漢字をきれいに書くのに難儀しました。
後で見直したら、初歩的なミスをしていて、やはり緊張していたのだと思います。
次の第3問からはいつの間にか手の震えは治まっていました。
仕訳の集計等で計算用紙に気楽に記入する第3問を先に済ませてしまったほうが、よかったなと思いました。
ちょっと緊張していると思われた方は、先に第3問に取り掛かってもよいかもしれません。電卓を叩いて、計算用紙に気楽に記入しているうちに集中して緊張もほぐれますよ。
しかし、これまで(受験や昇進試験といった)試験中に手が震えたことはなく、自分でも不思議でした。
自分なりに分析したところでは、久しぶりの(誤字が許されない)筆記試験であること、自発的にかなり真面目に勉強していたこと(落ちた後にもう一度あの時間を過ごすことが出来るのかといった懸念)で、手が震えたのではないかと考えています。
終わってみればよい経験でしたが、試験中は困りました。
時間配分
試験時間は120分です。
1点につき、1分使うと考えます。
各問題にその時間を割り当てると、ちょうどよい時間配分になります。
第1問に20分、第2と4問は各10分、第3と5問は各30分、残りの20分は見直し時間で、合計120分です。
とはいえ、第1問と第3問が一番時間が掛かります。
特に第3問は出題パターン(3パターンあります)によって、必要な時間の幅が大きく変わります。
第1問、第3問で60分ほど時間を使ってしまっても安心してください。
しっかり勉強していれば、残りの問題は余裕で終わると思います。
最後の仕上げに過去問題集のすすめ
以下の記事で私が実際に使用したおすすめの過去問題集を紹介しています。
おすすめしている理由は、出題範囲から外れた部分が同レベルの出題範囲内の問題に改編されているからです。
単なる過去の問題を纏めただけの問題集ではありません。
単純に昔の出題範囲のままの(つまりこれから受験する回には出題されない)過去問を解くよりも効率的です。
簿記初心者の私でも効率的に勉強することが出来た良書です。
試験の10日前ぐらいから過去問題集に取り組みたいです。
結局、おすすめの過去問題集を解くことが合格への最短ルートだと思います。
終わりに
今回のような細かい部分(計算用紙が足りるのかなど)が分からず、困った記憶があるため、さわりの部分にも関わらず結構な分量になってしまいました。
次回以降で、具体的なポイントを紹介していきます。
もう少し短くシンプルにまとめていきたいと思います。
それでは、また。
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